特定飛行をする操縦者は、飛ばす前に DIPS 2.0 で飛行計画を通報しなければなりません。「何日前まで」という日数の決まりは無く、通報要領が求めているのは、飛行開始前に必要な情報をそろえ、時間に十分なゆとりを持って通報することです。国土交通省の「無人航空機の飛行計画の通報要領」(令和8年3月31日最終改正)をもとに、通報が要る場面と入力する事項、DIPS 2.0 での流れ、変更や中止のしかたをまとめました。
通報が義務になるのは、特定飛行をするとき
飛ばす空域か方法のどちらかが航空法の規制に当たる飛行を、特定飛行と呼びます。規制される空域は、空港等の周辺と地表又は水面から 150m 以上の高さ、人又は家屋の密集している地域(人口集中地区)の上空の 3 つ。方法のほうは夜間、目視外、人又は物件から 30m 未満、催し場所の上空、危険物の輸送、物件の投下の 6 つです。通報せずに特定飛行をすると、30 万円以下の罰金の対象になります(航空法第157条の10)。
義務になるのは特定飛行だけですが、通報要領はそれ以外の飛行でも同じ手順での通報を推奨しています。ほかの無人航空機と日時や経路が重ならないよう、互いの飛行計画を共有するための仕組みでもあるからです。
例外は 2 つあります。1 つは通報システムの障害で、飛行開始までに通報する手段が無ければ、飛行を始めたあとに通報してかまいません。もう 1 つは国や地方公共団体(またはその依頼を受けた者)による捜索・救助のための飛行で、こちらは通報が要りません。なお、公益のための飛行で計画を秘匿する特段の必要がある場合は、DIPS 2.0 の代わりに国土交通省の担当課へ通報する扱いもあります。
「何日前まで」の決まりは無く、飛行開始前に
前日までか、当日でもよいかは、よく迷う点です。通報要領にあるのは「飛行開始前に必要な運航に係る情報を入手し、時間に十分なゆとりを持って事前に飛行計画を通報すること」で、日数の期限はありません。そのため、当日の通報も飛行を始める前なら制度の上では可能です。
ただし、通報した計画が他の計画と重なっていれば、飛行を中止するか相手と調整しなければなりません。直前の通報では調整の時間が取れないので、飛ぶ日が決まった時点で通報しておくのが確実だと考えます。大事なのは期限より、調整の余地を残しておくこと。
通報で入力する事項
DIPS 2.0 では、機体と操縦者をあらかじめ登録しておき、通報のときは一覧から選ぶ形になります。通報要領が定める通報事項は次のとおりです。
- 飛行の日時と経路(経路は地図上に、多角形・円・線のいずれかで作図)
- 無人航空機の登録記号と種類(型式認証を受けた機体は型式も)
- 操縦者の氏名(技能証明を受けている場合は技能証明書番号も)
- 許可・承認の番号(受けている場合)
- 飛行の目的、高度、速度
- 飛ばす空域と方法(特定飛行の形態)
- 出発地と目的地
- 目的地に着くまでの所要時間(最大 24 時間。超える分は別の飛行計画にする)
- 立入管理措置の有無と内容(補助者の人数や係留飛行の有無など)
- 損害賠償のための保険の有無と内容
- その他参考となる事項
高度は対地高度をメートルで、速度は対地速度を km/h で入力します。何日分かの計画をまとめて出したいときに便利なのが、カレンダーからの定期・複数日の指定で、1 回の操作でまとめて通報できます。開始日時と所要時間を入れれば終了日時は自動で計算されるので、終了日時を手で合わせる必要はありません。
DIPS 2.0 での通報の流れ
国土交通省の操作マニュアル(飛行計画通報編)では、新しく通報するときの流れは次の順番です。事前に、使う機体と操縦者の情報を DIPS 2.0 に登録しておきます。
- DIPS 2.0 にログインする
- 飛行計画通報のメニューで「飛行計画の登録」を押し、一覧の画面で「新規通報」を押す
- 許可・承認を受けた飛行なら、飛行許可番号を選ぶ
- 飛行の目的や空域・方法、日時、機体、操縦者、保険、立入管理措置などを入力する
- 地図に飛行経路を描く
- 登録内容を確認して通報する
通報済みの計画の「複写」ボタン(前の計画のコピー)を使えば、前回の入力内容が入った状態で新しい計画を作れます。同じ現場をくり返し飛ばすときの近道で、日時だけは新しい飛行のものに必ず変えてから通報してください。ただし、DIPS 2.0 以外のシステム(認定 USP)から登録した計画は、DIPS 2.0 の上では複写できません。
他の計画と重なったとき、予定が変わったとき
通報の前には、飛行経路に係る他の無人航空機の飛行計画(日時・経路・高度)を通報システムで確認することも求められています。日時と経路と高度のすべてが重なったときの選択肢は、飛行の中止か、当事者どうしで調整して重ならない計画を通報し直すかの 2 つです。2024 年 3 月からは、DIPS 2.0 の上で通報者どうしが調整のメッセージを送り合えるようになりました。
予定が変わったら、変える事項だけを通報システムで変更します。飛行の中止が決まった時点で、速やかに通報を取り消すのも決まりの一つです。また、国土交通大臣の指示に従う場合や安全のためにやむを得ない場合を除いて、通報した計画のとおりに飛ばすことも求められています。
スマホから通報したいとき
DIPS 2.0 と連携してスマホから飛行計画を通報できる Web アプリが、Drone24 です。1 項目ずつ進む入力画面で通報でき、機体と飛行許可は DIPS 2.0 から呼び出せます。2 回目からは、通報済みの計画の「同じ内容で再通報」で前回の内容が入った状態から始め、日時を変えて通報できます。通報した計画は、そのまま飛行日誌(様式1)の作成にも使えます。画面つきの手順は使い方ガイドの「飛行計画を DIPS 2.0 へ通報する」にあります。